予備自衛官になるには??
そもそも予備自衛官って何??
予備自衛官というのは外国の軍隊でいう予備役にあたります。
普段は社会人として仕事してたり、学生として学業に励んでいながら、有事や大規模災害時には招集されて自衛官として活動します。
具体的には有事や災害時に現職の自衛官が派遣されると駐屯地の人出が少なくなってしまいます。
そのために駐屯地警備をしたり、災害時には実際に被災地に行って被災者の生活支援や行方不明者の捜索活動等を行います。
ただし、海外に派遣されることはありません。
私は大学生の時に予備自衛官補に採用されてその後予備自衛官に。
現在も鉄道会社で働きながら(車掌やってます笑)予備自衛官を続けています。
まだ実際に招集されたことはありません。
そんな予備自衛官になるにはどうすればいいのか??
自衛官を1年以上経験した人であれば予備自衛官になることができます。
え!
じゃあ一旦自衛隊に入らないといけないの??
っと思う方もいらっしゃるかと思います。
そんな方々に最適なのが
「予備自衛官補」
という制度です。
予備自衛官補というのは自衛隊未経験者(若しくは1年未満で離隊した人)が予備自衛官補の採用試験を受け、採用されれば晴れて予備自衛官に!
というほど甘くはないんですが笑
採用されれば予備自衛官になるための訓練を受けることができます。
この訓練を
「招集教育訓練」
と言います。
期間は50日間。
長っ!
そんなに行ってられない!
けど安心してください。
訓練は50日を10分割していて、5日の訓練を10回受けることで修了できます。
期間は3年間。
3年以内に5日×10回であれば負担は減るかと思います。
条件付きですが、期間を1年延長して4年以内に5日×10回とすることもできます。
と言っても訓練は5日間泊まり込み。駐屯地外へ外出することもできません。
社会人の方には5連休を何度もとるのは厳しいだろうなと思います。
私も当時学生で暇を持て余してたので1年間で全ての訓練を受けましたが、社会人になってからだったら無理だっただろうなと思います。
実際に、予備自衛官補として訓練を受けている社会人の方は、会社員よりも比較的休みに融通の利く自営業の方が多い印象です。
会社員であれば予備自衛官制度に超理解を示してくれる会社に勤めている方とか…
で、本題に戻りますが
予備自衛官補になるためにまず採用試験があります。
まずは、受験の申し込みをしないといけないので志願票というものを取り寄せます。
各都道府県には自衛官の募集業務を行う地本協力本部(通称:地本)があり、そこに問い合わせる、若しくは自衛官募集サイトからネットで申し込めばすぐにパンフレットとともに届きます。
すぐと言いましたが、驚くほど本当にすぐなんです!
午前中ポチッと申し込んで夕方ポスト見るともぉ届いていることもあります笑
封筒をみると住所と宛名は書いていますが切手が貼っていません。
自衛隊の方がすぐ車で直接配達しに来てくれます笑
場合によってはピンポンされるかもしれません。
ここの対応は地本によると思うので普通に郵便で送られる所もあるかもです…
私の家は駐屯地から比較的近くだったので余計にだったと思います笑
そして、受験まで自分をサポートしてくれる広報官という方がずっと付いてくれます。
わからないこと、聞きたいことはこの広報官に言えば何でも教えてくれますが、向こうも自衛隊に入って欲しいのであまりしんどい様なことは言わなかったら言ったり…
受験の申し込みをして受験当日…
なんと広報官が車で家まで迎えに来てくれます。
試験会場までの送迎付きです!
とてもありがたかったです…
ここからが試験本番です。
筆記試験、面接、身体検査、小論文等です。
まずは筆記試験…
勉強しないと!
って思いますが、試験の内容は中学校卒業レベルです。
レベルは高くありませんが、中学の時の内容なんて忘れてることがほとんどです…
ノー勉で試験を受けてしまうのはさすがに怖いなーっていう方には予備自衛官補採用試験のテキストがあるのでそれを購入して試験勉強するのがいいかと思います。
amazonや書店の公務員試験コーナーで購入できます。
私が受験した当時は予備自衛官補専用のテキストがまだ発売されていなかったので同程度の2等陸海空士採用試験(現在の自衛官候補生)のテキストで勉強しました。
次に面接…
面接は決して圧迫面接ということはありません。
私の時は3対1の面接で、面接官は幹部自衛官2人と事務官1人でした。
内容は志望動機などありきたりな質問の他、訓練中は集団生活をするので大丈夫か、不安はないか等です。
面接は10分くらいで面接官もニコニコしていたり一緒に笑ったり緊張がほぐれるよう進めてくれます。
私も面接前、廊下で順番を待っている時はめちゃ緊張していましたが、先に受けていた人が面接会場か出てきた時に「優しかったし大丈夫」って声をかけてくれてホッとした記憶があります笑
自衛官というのは国や人の命を守る仕事。
相手を落ち着かせるちょっとした一言、気遣いというのはとても大事だと思います。
彼は採用試験時ではライバルでもある私に声を掛けてくれました。
しかし、採用されれば同じ釜の飯を食べ、共に汗水を流す同期になります。
その彼を見習って私も面接を終えた後は次の人に同じ声かけをしました。
そして、身体検査…
自衛官採用の身体検査はごくフツーな健康診断です。
走ったり、腹筋したりなど体力検定みたいなことは一切しません、
健康かどうか、ただそれだけです。
けど身体検査にも基準があります。
太り過ぎてたり、むし歯がいっぱいあったり…
総合的にみて判断されるので、1項目ちょっと基準を超えてたくらいでは落ちないとは思いますが、普段から軽く運動をする、当日は尿検査に備えて糖分は摂らないといったくらいの対策はしておいた方がいいかと思います。
次に小論文…
そんな難しい内容ではありません。
自分の時はもぉ7年も前なのでハッキリとは覚えていませんが、
「国を守ることの大切さについて」
とかそんな内容だったと思います。
国を守ることには、経済的に守るなど様々な守り方がありますが、他国から軍事的攻撃を受けた際に自国を防衛するいうことで言えば…
みたいなことを書いた記憶があります。
これらの試験を1日で終え、合格発表の日、広報官から連絡があります。
ネットでも発表されるのですぐ自分でも調べれますが、改めて広報官から合否を告げられ、合格していれば「おめでとう!」と言ってもらえます。
ただ、ここからが公務員の独特な採用方式があります。
(予備自衛官は非常勤の特別職国家公務員になります)
試験で合格点に達した人を点数の高い順に並べた採用予定者名簿なるものが作成されます。
そして上から定員いっぱい正式に予備自衛官補に採用となります。
そして辞退する人がいればその分繰り上げられていきます。
つまり、採用試験合格=採用ではありません。
採用試験合格=採用予定であり、採用されないこともあり得ます。
聞いた話では、予備自衛官補採用試験の倍率は約3倍だそうです。
3倍であればさほど難関な試験でもありませんが、私が受験した2012年は東日本大震災の翌年ということもあり、倍率が跳ね上がっていたそうです。
採用してもらえて良かったですが、高い倍率を潜り抜けただけあって、私の同期は本当にみんな意識が高く、尊敬できる人ばかりでした。
そんな同期の話もまたしていけたらと思います。
以上が予備自衛官補採用試験の話でした。
おわり
自己紹介
はじめまして!
階級は陸士長、予備自衛官になって現在2任期6年目です。
予備自衛官には予備自衛官補(一般)で採用され、50日間の招集教育訓練を修了後任用されました。
このブログは、私と同じ様に予備自衛官補の受験を考えている方、既に予備自衛官補で現在招集教育訓練を受けてる方にこれからの疑問や不安を少しでも払拭してもらいたく立ち上げました。
自衛官というのは自己紹介をするのが好きで、その際には必ずと言っていいほど隊歴(自衛官になってからの職歴のようなもの)を言うので私も自身の隊歴を紹介します。
2010年 防衛大学校(理工学専攻) 入校
同年 一身上の都合により退校
2012年 予備自衛官補(一般) 採用
2013年 予備自衛官補招集教育訓練修了(109教育大隊)
同年 予備自衛官(2等陸士) 任用
2014年 1等陸士 昇進
2015年 陸士長 昇進
2018年 永年勤続表彰(地本部長) 受彰
防衛大学校にも入校していたことがあるのですが、またどこかの機会でブログの中で紹介したいと思います。
こんな私がこれからブログを書いていくのでよろしくお願いします!
ただ、みなさんにより予備自衛官のイメージを持ってもらうために詳細な訓練内容や写真を載せたいところですが、自衛隊では情報保全云々で訓練中の写真撮影や訓練内容をSNSで紹介するには規制があります。
なので、このブログで紹介する内容には抽象的な表現をしたり、駐屯地の一般開放など写真を撮っても大丈夫な機会に撮影した写真を載せたりするのでご了承ください…
あと、予備自衛官のことをどこから紹介するかというのも悩みどころです。
自衛隊とは何か!
自衛隊の存在意義とは!
自衛隊にはどんな階級があるのか!
自衛隊にある職種!
などなど
話始めたらキリがありません笑
あまり堅い話は置いといて、
予備自衛官に特化した内容を書いていきます。
一般的な自衛隊に関する知識は必要に応じてリンクを貼る等するのでこちらもご了承ください。
最後に!
コメントは自由にしてください!
質問、要望、批判…
なんでも受付ます!
予備自衛官の方、予備自衛官補の方、自衛官を目指している方、全然興味ないけどなんとなく読んでみた方々、誰でもOK🙆♂️です!
それではこれからよろしくお願いします!
おわり